はじめに
近年、農薬や肥料の価格高騰により、農業のランニングコストの増加が農業従事者の課題になっています。
そんな中、アスパラガスの新しい栽培方法として、「枠板式高畝栽培」という手法が注目されているのをご存じですか?
これは、枠板を用いて通常よりも畝を高くすることで、平畝栽培と比較して、農薬散布頻度や肥料を与える頻度を下げて生育コストを下げながら、作業負担を軽減することができる栽培方法です。
本記事では枠板式高畝栽培では何故、農薬散布頻度や肥料を与える頻度を下げることができるのかを解説します。
高畝栽培についての詳細は「高畝栽培とは?」をご覧ください。
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平畝栽培と枠板式高畝栽培との作業負荷の比較
それでは、はじめに通常の栽培方法である平畝栽培と枠板式高畝栽培の作業負荷と、農薬散布や追肥量の頻度がどの程度変わるのかを見ていきましょう。
枠板式高畝栽培では、一般的に非常に多くの追肥が必要なアスパラガスの追肥回数が2〜3ヵ月に一度で良くなるため、追肥の負担がおよそ90%減少します。
また、病虫害対策として農薬を散布する頻度も抑えることができます。
なぜ、追肥と農薬が少なくてもいいの?
ここから、なぜ、追肥と農薬の散布が少なくても良いのか、理由を3つ解説をしていきます。
①株密度が低く、通気性が良いから
理由の1つ目は、枠板式高畝栽培は平畝栽培と比較して、同じ広さに対しての株数が少ないために、通気性が良くなるからです。
アスパラガスは栄養をたくさん与える必要があり、また、湿気を嫌います。そのため、株密度が低下することにより、通気性が向上するために、病虫害対策の頻度を下げることができるのです。
②通路幅が大きく、光合成効率が良いから
理由の2つ目は、通路幅が大きく、光合成の効率が良いからです。
通路幅が大きく、平畝栽培と比較して、様々な角度から日光を受けることができます。そのため、光合成の効率が良く、追肥の頻度を下げることができるのです。
③側枝と擬葉が出にくく、農薬の散布効率が良いから
理由の3つ目は、側枝と擬葉が出にくく、農薬の散布効率が良いからです。
平畝栽培では摘芯をすることで、側枝の成長を促しますが、枠板式高畝栽培では無摘芯で栽培を行います。そのため、側枝と擬葉が少なくなり、農薬の散布効率が向上します。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
この記事では、枠板式栽培でどの程度、追肥や農薬散布を抑えることが出来るのか。また、何故、なのかを解説してきました。
これ以外にも、作業性の向上など、様々なメリットがあるので、気になった方は是非、以下の記事も見てみてください。
「平畝栽培と高畝栽培の違い4選」
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