安定収益と社会インパクトを両立する“次世代農業モデル”とは

気候変動、食料危機、地域衰退——。こうした社会課題を背景に、農業へのESG投資や地域資源を活用したインパクト投資に注目が集まっています。なかでもアスパラガスは、「収益性」と「持続可能性」の双方を備えた、戦略的アグリ投資先といえます。
投資対象としてのアスパラガス
1度の定植で10年収穫、効率性と安定性を両立
アスパラガスは多年草で、一度定植すれば約10年にわたり収穫可能。再作付けが不要なため、作業コストを抑えながら中長期的なキャッシュフローが期待できる作物です。
市場においても、国産アスパラは高品質・高単価で取引され、契約栽培や業務ルートでは価格の安定性も高いことが特徴です。
ESG投資としての魅力:3つの評価軸
アスパラガス栽培は、ESGの各視点からも高く評価されるポテンシャルを持っています。
【E:環境】
- 年間を通じて土壌を掘り返さないため、CO₂排出や土壌流出が最小限
- ハウス栽培では省エネ設備やスマート潅水の導入が容易
【S:社会】
- 農業従事者の高齢化が進む中、スマート農業により省力化しやすいため女性や外国人労働者にも扱いやすい作物
- 地域での安定雇用の創出に寄与
【G:ガバナンス】
- アスパラガスは一度の定植で約10年収穫が可能で、スマート農業の技術導入による省力化や効率化が容易なことから契約栽培や法人経営と相性が良く、透明性の高い事業運営が可能
- 行政・金融機関との連携によるスキーム構築も進めやすい
【成功事例】ファームホロ(北海道新ひだか町)
ESGと収益性を両立した実証モデル
北海道新ひだか町の農業法人「ファームホロ」は、アスパラガスによるESG型農業経営の好例です。
- 年間出荷量約16トン。ホワイト、グリーン、パープルの3種を栽培
- JGAP認証取得(2019年)により安全性と作業環境を可視化
- ゼロカーボンアワード奨励賞(2024年)を受賞。省エネ設備・地元資材の活用で環境負荷を低減
- 首都圏のホテル・外食チェーンと直接契約販売
ESG観点での取り組みを強化しつつ、販路の安定化と事業性の両立に成功しています。投資判断において「再現性ある実績モデル」として参考になる事例です。
参考:ファームホロの おいしいアスパラガス|日高エリアのウェブマガジン
アスパラガスが奨励賞受賞 ファームホロ 食絶景×ゼロカーボンアワード【新ひだか】 | 北海道ニュースリンク
出口戦略:収益回収と事業継承の両にらみ
アグリ投資においてしばしば課題となるのが「出口戦略」です。アスパラ事業においては、以下の複数の選択肢が存在します:
- 法人化+M&A:地域農業法人や食品企業への事業譲渡
- 土地活用型出口:農地付き農業施設として新規就農者・自治体向けに物件売却
- 6次産業化によるブランド事業化:加工・EC展開でバリューアップし、外部資本導入や事業継続
これらは資本回収と社会インパクトの両立を図る上でも重要な視点です。
まとめ:アグリ投資の“次の一手”に、アスパラという選択肢を
アスパラガスは、高品質な国産農産物としての需要を持ちつつ、生産モデルの構築が比較的容易でESG適合性も高い作物です。中長期の事業ポートフォリオに「安定収益」と「社会的意義」の両立を加えたいと考える投資家・企業担当者にとって、十分に検討に値する投資対象といえるでしょう。
農業がもつ価値を、「生産」だけでなく地域経済・環境・雇用創出の起点として再定義する時代。アスパラガスが、その突破口になるかもしれません。
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